2012年09月18日

カルシウムは神経伝達物質

神経細胞の働きに重要

浜松医科大名誉教授 高田明和

カルシウムといえば骨、骨といえば骨粗しょう症というくらい、骨にとってカルシウムは大事である。しかしカルシウムは骨の維持に重要なだけではない。細胞の働き、とくに神経の働きに欠かせないのである。
細胞の中でカルシウムは重要な働きをしているため、普通は細胞内の濃度は極めて低く抑えられている。骨中のカルシウム濃度を1とすると、血液中にはその1万分の1、細胞内ではさらにその1万分の1にすぎない。
 
ところが細胞、とくに神経が興奮すると細胞外から細胞内にカルシウムが入ってくる。するといろいろな酵素が活性化され、細胞内の物質の放出、細胞の形の変化、筋肉なら収縮などが起こる。カルシウムが足りなくなると、骨のカルシウムを細胞の方に回そうとするので、骨は弱くなる。神経や筋肉はカルシウムが足りなくなると、細胞内の貯蔵庫からカルシウムを放出させて使おうとする。その結果、筋肉、神経の異常興奮が起こる。カルシウム不足でイライラするのはこのためだ。

シナプスのしくみ.jpg
カルシウムは神経伝達物質

カルシウムを食べ物から摂取することは極めて大事だ。しかしカルシウムをとれば、体の中に入って使えるというものでもない。北欧の日照量の少ないところで生活している人は活性型ビタミンDが不足する。するとカルシウムを腸管から吸収することができにくくなる。カルシウムを含む食べ物を多くとってもカルシウム不足になり、骨の発育が悪くなる。
 
欧米に比べ日本人はカルシウム摂取が少ないのに、骨折は少ない。これは私たちの体質がカルシウムを有効に使っているということを示している。日本ではいま530ミリグラムのカルシウムが摂取されているが、600ミリグラムの摂取が勧められている。一方、米国では1000ミリグラムが勧められている。
 
カルシウムは何からとったらよいか。昔から牛乳はカルシウムの補給によく、吸収がよいとされてきた。しかし最近、吸収されにくいとされた魚の骨などのカルシウムも意外によく吸収されることが分かった。小腸の上皮細胞の近くは酸性が強く、カルシウムがイオン化し、吸収されるのである。カルシウムは脂肪酸と一緒に摂取すると吸収されにくいということも分かった。欧米の食が脂肪を多く含んでいることが欧米人のカルシウム不足の原因、骨折が多い理由かもしれない。
posted by そらのシントウ at 16:08| Comment(0) | カルシウムと健康

カルシウムの重要な働き

カルシウムは主に骨や歯の主成分であることは、知られていますが、それ以外にも生命活動に欠かせない重要な働きがあることは、あまり知られていません。

人体はよく小宇宙と言われるとおり、カルシウムが人体にとってなくてはならない存在なのです。カルシウムの働きは、人体の受精から始まります。

クリックすると大きくなります↓
カルシウムの働き図解.jpg
東京大学教授 折茂肇 、神戸大学教授 藤田拓男


■受精
男女の精子と卵子にカルシウムがなければ受胎は完結しません。 不妊対策や健康な子供を作るのにカルシウムは欠かせません。
■細胞分裂
受胎が終わると細胞分裂を繰り返し、 段々胎児になっていきますが、 カルシウムが不充分では健康な細胞はできにくい。
■出産・陣痛
妊娠中の 「つわり」 「妊娠中毒」 「高血圧」 「腎不全」 等の合併症はカルシウム不足が原因と考えられます。 規則正しい陣痛には充分なカルシウムが必要です。
■造血
脳を発育させ、 血液を作る、 子供の成長や、 また母体には特にカルシウムが必要です。
■造骨
歯や骨を作るのはもちろんカルシウムが必要ですし、 強い細胞を作ることにも必要です。
■白血球のバイ菌貧食
白血球がバイ菌を食べていくにも、 免疫力を高めることにもカルシウムは必要です。
■心筋・筋肉の収縮
筋肉細胞にカルシウムが入ると、その筋肉は収縮し、カルシウムが細胞から出ることによって、筋肉が弛緩(ちかん)ゆるむことになります。心臓などは、この繰り返しによって、寝ている時でさえも絶えず、収縮・弛緩運動によって働いていることになり、私たちは生かされているといえます。他の臓器の筋肉も同様です。
■情報伝達・電気的興奮
カルシウムが、 細胞の中に入って電位差が生じることにより、 情報を伝えたり、 命令を発します。 イライラする状態などはカルシウム不足の表われといわれます。
■ランゲルハンス島の機能低下
ホルモンの分泌の調整を行うにもカルシウムが必要です。 代表的な働きに、 すい臓からインスリンというホルモンが分泌されるにはカルシウムが必要となります。 糖尿病は、 カルシウム不足も関係していると思われます。
■酵素の働きを助ける
人体の機能が働くために必要な様々な酵素の働きを助けるのはカルシウムです。
■細胞の電子量の増減
飽食時代、 バランスの崩れ、 運動不足、 ストレス等で常に体が酸性化に傾いています。 体質改善にはまずカルシウム不足を補うことが基本です。
■動脈硬化
カルシウム不足により体内が酸性化し動脈硬化、 高血圧、 その他の病気につながる可能性が指摘されています。
■ガン
カルシウムがガン細胞の増殖を抑制します。
■記憶 (脳)
カルシウム不足により骨から溶け出したカルシウムが、 脳細胞に入ると痴呆・アルツハイマー等の記憶障害が起こる疑いも指摘されています。
■血液凝固
血液を固まらせるにもカルシウムは必要です。 最近、 歯医者さんで抜歯の時、 血が止まらない患者さんがいると聞きました。 カルシウム不足が原因となっている可能性があります。
■正眼体
目の働きが弱くなったり、 白内障もカルシウム不足が原因のひとつとされています。
■血管内のカルシウム沈着による肺機能の低下
カルシウム不足になると、 自分の骨から溶け出したカルシウムが血管に沈着して、 酸素を充分に運ぶことができなくなります。

沖縄サンゴカルシウム 珊瑚の恵 について詳しく
posted by そらのシントウ at 11:53| Comment(0) | カルシウムと健康

2012年08月22日

日本全体が酸性土壌でカルシウム不足

ヨーロッパの土壌は石灰岩などが豊富なのでカルシウム分が多い。それで作物にも十分カルシウムが含まれているし、そこをろ過してとれる地下水もカルシウムが多い。外国銘柄の市販ミネラルウォーターは、そんな地域で採取されています。

ところが、日本は島国です。島全体が火山灰土壌でおおわれており、土壌は酸性。酸性だと植物もよく育たないので、畑には石灰(アルカリ性にする)を蒔いたりします。

野菜も土壌にカルシウムが含まれていないと病気になりやすくなるんですね。調べていたら、JA(農協)で「畑のカルシウム」という肥料がありました。

畑のカルシウム.jpg
リン鉱石からとれるリン酸石膏で、水に溶けやすい硫酸カルシウムを主な成分とした粒状肥料です。カルシウム欠乏対策資材として。

野菜もカルシウムが必要なんですね。こうして、もともと土壌中にあったカルシウムと、肥料で添加されたカルシウムなどを野菜が吸い上げ、それを私達人間がいただいている、という食物連鎖になっています。

「畑のカルシウム」メーカHPより
● 分析例 ●
カルシウム 水溶性カルシウム 硫黄 水分 PH
28.5 26.3 17.0 0.6 5.1
※水溶性カルシウムは、畑のカルシウム1gを水500mlに溶解して分析した。
● 特 長 ●
・散布後、粒が速やかに崩壊するため、さらに水に溶けやすくなりました。 土壌への浸透性が高く、下層土の改良に役立つとともに作物に効率的に吸収されます。
・弱酸性なので、土壌PHを変化させることなくカルシウムを補給します。
・作物のカルシウム欠乏を防ぐとともに、硫黄も同時に補給しますので、作物の生理作用を活性化し、品質の向上と各種生理障害の予防に有効です。
・粒状(1〜4mm)になっていますので、散布しやすくなっています。
● 効 果 ●
<野菜>各種野菜に発生するカルシウム欠乏対策として大変有効です。作物を健全に生育させるので、耐病性を増し、鮮度、貯蔵性の向上が期待できます。
<果樹>カルシウム欠乏に由来する各種障害の克服と果実の着色を促進させ熟期を揃えるとともに、糖度を高め品質向上が期待できます。
<花き>カルシウム欠乏からくる生理障害を回避し、茎葉を丈夫にし、花もちをよくします。
<豆類>根粒菌の増殖を促進し、子実の充実、多収穫が期待できます。


作物にはアルカリ土壌を好むものと、酸性土壌を好むものがあると聞いています。このリン酸石膏という肥料の特徴は弱酸性とありました。

石灰ではアルカリ性になりますから、こちらのほうが扱いやすいのでしょうか。でも、人間にとってカルシウムをとる目的のひとつには、体内をアルカリ性にすることがあります。

野菜に含まれるカルシウム分が、この肥料によるものだとしたら、このカルシウムは人体にちゃんと役にたつのでしょうか?

小松菜.jpg

たとえば、小松菜は野菜のなかでもカルシウムが豊富なことで知られています。一束300gとして、カルシウムが870mg含まれているといいます。かりに料理で1人分50gを食べたとすると、カルシウムは145mgとれる計算になります。

食品の中では、まあまあ多いほうではありますが、1日のカルシウム摂取量目標は1000mgですから、このことがどんなに大変かわかります。カルシウムはサプリメントでとるべき栄養素として優先順位が高いのです。
posted by そらのシントウ at 12:01| Comment(0) | カルシウムと健康